トチの木 その3

たましひのやうやく休息(やす)むときを得て千の)の葉を捨てし栃の樹

図書館で借りた『斎藤史歌集 記憶の茂み』の中の一首。昨晩、床に入ってから読んだもの。

斎藤史さんには、認知症の盲母を詠んだ一連の鬼気迫るような歌があります。それらは安直に引用するのが憚られるようなものです。興味のある人は、図書館などで、お読み下さい。

晩秋のトチの木

晩秋のトチの木

また京都漫遊、天神さんから三月書房へ

昨日は、京都へ納品でした。お施主さんは前に触れた西陣にお住まいです(京都・西陣)。この日は、約束の9時ちょうどくらいに到着して、小卓を納め代わりに使って頂いていた卓袱台などを積んで、10時くらいまで雑談。その後、車を置かせてもらったまま、近くの北野天満宮に行きました。25日は、いわゆる天神さんの市の立つ日です。私は、こうしたガラクタ市のような催しが大好きで、京都にいた頃は、21日の東寺の弘法さん、25日の天神さんには、休みが重なる時は必ずのように出向きました。大阪に移ってからは21日、22日の四天王寺の市がそれに代わりました。

買ってしまったのは、砥石と真鍮の曲尺に壊れた錠前。都合5000円でした。あと、ちゃんと使える鍵つきの古い錠前とか、日本画の岩絵具のけっこう上等そうなものとか、錫の入れ子のかわいい箱とかに目が行きましたが我慢しました。またぞろ砥石なんか買って、お前あと何十年木工やるつもりかという事ですが、ひと目見て、これはイケると反応してしまったのでしかたありません。

天神さんで買った、砥石、曲尺、錠前

天神さんで買った、砥石、曲尺、錠前

お施主さんにお昼をごちそうになり、もう一度市に戻ろうかと迷いましたが、この日は別のところに寄ることにしました。寺町二条の三月書房です。この本屋さんにも京都にいた頃はよく通いました。この本屋さんのことは、また別に書きたいと思います。

ここで、1時間ほど立ち読みをして、買った本は下のようなもの。見事にジャンルはバラバラですが、これをわずか二間間口の街の小さな本屋が置いているのもすごいでしょう。いずれも定価の50〜60%オフでした。3冊で5,000円でお釣りをもらえました。結局、あわせて10,000円の散財ですが、50過ぎのおっさんが一日遊んでもらったのだから、安いものだと思うことにします。まあ、低収入の上にこうした発想が、貧乏に拍車をかけているのも分かっているのですがね。

三月書房で買った本。池田三四郎、秋山清、アドルノ

三月書房で買った本。池田三四郎、秋山清、アドルノ

夜に所用があったので早めに切り上げて帰路につきましたが、途中三条通りで見かけたシュールとも言える光景。耳なし芳一の御札の話を連想します。学校をなにか悪いものから守っているようにも見えます。やっている人がおそらく意識していない分、余計に面白いのだと思います。

確か渋滞情報の観測点のひとつになっていたと四宮バス停前 GXR A12 28MM GIMPでレタッチ

確か渋滞情報の観測点のひとつになっていた四ノ宮バス停前
GXR A12 28MM
GIMPでレタッチ

飛ぶ教室

今日は、二七日の法事を遠方より来てもらった兄に任せて終日仕事をする。若森君にも夜の9時半まで残業してもらった。


ヨーニー!そんなに無理するなよ。お前、まだ子供なんだし・・・

そんなことをヨナタン・トロッツに言いたがるヤツこそが、傲慢で嘘つきで、大事なものを失ってしまっているのだ、というのがこの季節になると思い出す話の主題だったんだ、確か。でも昔の自分に対してだって何をそんなに意地張っているんだよと声をかけたくなることがやっぱりあるよね。と三兄弟の次男と三姉妹の次女同士話していたことがあった。それも、もう随分昔の話になった。

RICOH GXR A12 28mm

RICOH GXR A12 28mm