ジーメンス・コアキシャル平面バッフルシステム

ジーメンス平面バッフルスピーカーシステム

つくば市のKさんの依頼によるもの。この貴重なドイツ・ジーメンス社の古い同軸ユニットを、もう3年も預からせてもらっていた。念願の新居が完成したそうで、嫁入り間近。サブバッフルを交換することで、三菱のP-610を取りつける事もできる。まどりさんの展示会で吹田の浜屋敷の蔵を改装したギャラリー兼ホールで鳴らさせてもらった。

駆動するアンプは、7C5シングル。1957年ザルツブルグでのフィッシャー=ディースカウのライブ録音を再生する。月並みな言い方だが、50余年前のその会場に居合わせ、そこでディースカウが歌っていると思わせるような臨場感がある。当時の録音を、当時のユニット、当時の真空管で、一番簡単な平たい無垢板につけたシステムで鳴らす。オーディオなんて、録音も含めて基本的な部分では半世紀の間少しも進歩していないと改めて思った。