11年前に作った厨子

11年前に作った厨子を補修して収めてきました。大阪の開業医を営むお宅ですが、その先代のお父様の位牌を納めるために作らせてもらいました。幅・800ミリの板に留端嵌(とめはしばめ)を付けるというのは、金具で補強してあってもやはり無理がありました。板側の留の部分で亀裂が入るというお粗末でした。端嵌の留部分を若干切り落として、亀裂を漆糊で埋めて、全体に拭漆を施し直しました。鉄筋コンクリート造りの医院の階上に置かれています。空調などすべて無垢板の家具にとっては厳しい条件ですが、その他に不具合はなく拭漆というのは無垢板の家具を保護・装飾するには優秀な方法だとあらためて思いました。

拭漆タモ造の厨子。
間口・1350x奥行き800x高さ・1440ミリ

4枚の開き戸は、1枚の板を割って使っています。作家先生の大好きなブックマッチではありません。あれはなんだか鯵の開きか動物のファーのような野蛮な趣味で好きではありません(鯵の開きは食品としては大好きです)。それに必ず片方が木裏使いになってしまい、日本の木工の伝統からはご法度なやり方です。

上(位牌を納める本体)は独立しています。