3本の映画 『パーソナルソング』、『三里塚に生きる』、『ダムネーション』

昨日31日(土)、午前中で仕事を切り上げて名古屋今池のシネマテークに映画を観に行きました。

の3本。これに、この日は『三里塚に生きる』の共同監督の一人である代島治彦さんの舞台挨拶がありました。先週には『三里塚に生きる』に合わせて、昔の小川プロの三里塚傑作選と称して古い映画の上映がありました。それも久しぶりに見たかったのですが、31日は、代島さんが来るし、『パーソナルソング』も上映が始まるし、と言う事で結局この日に出かけました。

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まあ、こんな映画を3本合わせて上映してくれるこの映画館もすごいなと思います。合わせて6時間余りの上映になり、認知症と三里塚闘争と、いずれも鑑賞というより、どうしても当事者目線で見てしまうこともあって疲れます。本当に、iPodで昔の音楽を聞かせるだけで、こんなにも生き生きとした表情と言葉が蘇るのなら、認知症治療とか介護とか、今やられていることは何なのだろう。でも少し前に読んだ『直さなくてよい認知症』では、認知症を治すべき病気ではなく、不可逆のエイジングとして捉えると介護者も本人も健やかに残された時間を過ごすことが出来るという趣旨だった。反省と自戒も含めて納得・共感していたのだが、この映画を見ると、また考えさせられる。簡単に答えを求めてはいけないのだ。

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辺田部落とか懐かしい。映画で出てくる屋号にも聞き覚えがある。東峰とか木の根はもうすでに滑走路になってしまっているが、そうかここはいわゆる敷地外で、B滑走路の進入路になって移転させられたが、まだ畑とか残っているのだ。岩山の鉄塔跡地にも入れるのだ。あの年の3月が危ないと言われて、しばらく現地に滞在していた。警戒と防衛のため毎日のように交代で鉄塔前に行っては最後にインターナショナルとか歌っていた。結局その3月は何事もなく戻って、5月に抜き打ちのように鉄塔が撤去された。その後の抗議闘争の過程で東山薫さんが亡くなった。私は、その時はもうこれで終わりだろうと勝手に「日和(ひよ)って」現地には行かなかったのだ。1977年のことだ。などなど色々思い出させる。

今も、反対運動を続けている柳川さんが静かに言う。運動を続けているのは、やはり青行(青年行動隊)の仲間で自死した三ノ宮文男さんの遺志という事が大きい。三里塚というのは、魂の問題なのだ。魂の問題を解決せずに、技術や方法で問題が解決されることはない。

私は、いろいろななりゆきもあって、あの1978年3月にも1兵卒として北総の大地にいました。でもそれ限りでした。ただ以降も絶対に成田から飛行機に乗らないと決めていますし、そもそも関西や東海地方に居て飛行機に乗る機会自体がそんなにありませんでしたから、それは守っています。登場した元反対同盟の堀越さんは、成田はもちろん飛行機自体に乗らないとおっしゃっていました。あんなものがなくても人間は生きていけるし、あんなものがあったからたくさんの血が流れ苦労があったのだと。私も、そもそもあんなでかいチタンやカーボンやジュラルミンの塊が、空を飛ぶ事自体が不自然で不可解な事だと思っていました。嫌いです。車もそうですが、地球や他の生き物にとっては破壊的で迷惑な存在でしかありません。もう金輪際、飛行機なんぞに乗らないというのが、短い間でもかの地を訪れたことのある私にとっての「魂の問題」の解決の一つかなと思いました。

シネマテークで、『三里塚に生きる』は、2月6日(金)まで、『パーソナルソング』は2月20日(金)までです。