綿繰り機 尾西(びさい)歴史民俗資料館を訪ねました

木の仕事展で、あるお客さんから綿繰機について問い合わせがあった。レプリカを作るか欠損している部品だけでも作れないかとのこと。スパイラルになっているローラー云々と言われるが、実物を見たことがないので、今ひとつ理解できない。”木のもの”楽器屋の南部さんから、お義父さんを介して詳しい人を紹介してもらい、なおかつ現物を見せてくれることになった。採寸、写真撮影も可とのことで、たいへんありがたい。

今日、お邪魔したのは一宮市尾西歴史民俗資料館。そこの学芸員の久保さんという方を紹介してもらっていました。着いて、久保さんに館内の一室に案内される。部屋の机に13台の綿繰り機が整然と並べられています。久保さんに普段、ここでこの機械を使って、ワークショップか何かされているのですか?と尋ねると、とんでもない、いずれも資料館の貴重な収蔵品で、今日私のために収蔵庫より持ちだして並べて下さっていたとのこと。見ず知らずの馬の骨のために本当にありがたい事だと恐縮しました。

収蔵庫から出してもらった綿繰り機

収蔵庫より出してもらった綿繰り機

予習を怠ったために、忙しい久保さんを引き止めて、トンチンカンな質問を繰り返して、ようやくその使用方法や構造について理解する。13台のうち、典型的な形状で、もとの機能も保持しているであろう状態の良いものを2台選んでもらって、詳細な採寸と写真撮影をやらせてもらう。それは後日、ホームページの方にCAD図面におこして掲載したいと思います。ちなみに、最初資料館の人として紹介をされた時は、こんな骨董民具に詳しい人なら、地元の学校の校長か教頭先生を退職されたか郷土史家の嘱託のおじさんだろうと勝手に思っていました(実際に最近、そういう人に会ったばかりでした。大きな川に沿った宿場町の資料館というのも同じ!)。電話でアポを取った時、女性であったので意外でしたし、お会いしてみると知的でキリッとされていて、こちらのアホな質問にもいやな顔もせず、親切に的確に答えて頂く素敵な人でした。博物館の女性学芸員というのをポイント高く絵にすると、こういう人になるのかなと思います。

採寸させてもらった綿繰り機

採寸させてもらった綿繰り機 RICOH GXR A12 50mm

この綿繰り機は、たくさんの使い込まれた物を実際に目にして、たいへん気に入りました。素朴な形状で、材料も一見粗末なものを使っているように見えて、強い負荷のかかるローラーを支える2本の縦桟には上質の目のつんだヒノキを使い、台には通しほぞで固定してあります。無駄のない勘所を押さえたと言える作りに感心しました。

この手回しの綿繰り機は、現在も京都で作られているようで、そのメーカーのホームページを久保さんにプリントアウトしてもらいました。戻ってから、そのメーカー・稲垣機料株式会社について調べてみる。地図を見ると、一昨日、京都での打ち合わせの後、ぶらついて、その真ん前を通っていた!まあ、間が悪いというか、ちゃんと事前に予習をしておけばと悔やまれます。別の記事として詳しくは書きたいと思いますが、レプリカを作ろうと思うと、このローラーを連動させるスパイラルのネジがポイントになります。新規の制作で、どのようなものとされているのか、またNCのフライス盤があれば、可能だと思うがそれにしても特殊なバイトが必要で、パーツとして入手可能かなど尋ねてみたかったと思います。



綿繰り機の採寸データをホームページに公開しました。

綿繰り機の採寸データ