鉋台の刃口埋め 3 番外 刃口脇の処理について

前の記事の鉋の刃口脇の欠き取りについて、木工界の碩学で稀有の著書・『組手 國政流・江戸指物の美』の著者である阿部藏之さんからメールを頂きました。以下その一部を引用します。

大工職は台直しが頻繁で、(中略)水分のある被削材が多いので、屑だしをよくするために切るようです。深く切ればびびりが出ますね。家具精密木工・鉋台打ち職では無用かと。

また、素材別、業務別で使い勝手や好みも違うので、この辺りの処理の仕方は色々とのことです。これまで、注意して見てこなかったのですが、大工、木型屋、建具屋など機会があればそれぞれの道具を拝見して、その由緒など聞いてみたいものです。 だたそこまで道具にこだわって仕事をしている職人がいかほど残っているかとも思います。

台直し用のジグと専用の台直し鉋。これで刃口を保護しながら脇も削る事が出来る。

台直し用のジグと専用の台直し鉋。これで刃口を保護しながら脇も削る事が出来る。

それで、わたしは現状どう処理しているかと言うと、常用の鉋ではごく薄く欠き取っています。やはり阿部さんもおっしゃるように、仕事中などに台直しを行う場合には、あまりクリティカルな処理はやってられないという感じです。ただ、最後の仕上げ仕事用で寸八とか二寸の鉋など台自体が微妙な調整が必要なものは、上のような治具とそれ専用の台直し鉋を使っています。使い方の説明は不要でしょう。これは、どこかの雑誌か何かで見たものを真似したもので、もちろん私のオリジナルではありません。