今度は岸和田

先週の展示会が終わり、少し疲れが残っていて、今週初めの雪など不規則な天候で風邪をひいてしまいました。それにいよいよ花粉症がひどくなり、確定申告もあって今週はへたり気味です。そんな中で、今日は(←アップの段階では昨日になってしまいました)岸和田に行ってきました。私の苗字と同じ材木屋さんの製材の勉強会と市があったからです。勉強会の方は、まあどうでも良かったのですが、去年買って、そのまま預かってもらっているクリを、いい加減引き取らなくてはなりません。それと、来年早々に始まる店舗の仕事で、あるまとまった量の什器の材料をそろそろ決めなくてはなりません。

岸和田・服部商店での製材の勉強会。挽いたばかりの道産タモ。

岸和田・服部商店での製材の勉強会。挽いたばかりの道産タモ。

去年買ったクリはいい材でした。買っておいて良かったです。1本の丸太から、400上(幅・400ミリ以上)の板目の板が2枚、300上が3枚、あとは柾目で挽いてあります。しかもすべて耳断ちです。これなら、幅広の板目を中心にして外側に柾目材を接いで、長さ1800・幅800〜900程度の上品な天板が最低でも4枚は取れそうです。これまで、10余年購入してきたクリ材は、すべてダラ挽きと呼ばれる丸太を端から板目で挽いたものでした。しかも最近は通直な材は少なく1800程度の幅の材を取ろうとすると、寸検値の半分程度しか取れません。岩手とか青森からのクリは、そうしたものだとなかば諦めていましたが、そうではなかったのかなと今さら思います。単価は、これまで買ってきたもののちょうど倍ほどしますが、歩留まりとか木取りの手間を考えると納得、というかお得感すらあります。以前のように数をこなしてナンボのような仕事は出来なくなってきた、というかもうやめようと思っているので、材料もより慎重に良い物を選ばねばと思います。


さて、岸和田から寄り道もせず、直で戻ってそのまま材木(クリに加えて小口売りのあったアルダーを少し買った)を降ろしました。その頃には鼻水が止まらず、くしゃみ3連発状態でした。まだ日もあったのですが、かわいそうだけどタローの夕方の散歩をパスして、卵酒に湯豆腐と小女子に大根をおろしたものをサッと食らって床につきました。おかげで変な時間に目が覚めてしまいましたが、体は随分楽になりました。学生時代に寮母さんに作ってもらって以来、インフルエンザなど深刻なものでない限り、私には風邪には卵酒を飲んで早々と床につくのが効果があるようです。

第12回木のある暮らし展無事終了しました

第12回木のある暮らし展終了しました。古くからのお付き合い頂いているお客さん、新しいお客さん、通りすがりの人、今回もいろいろお話させていただいてありがとうございます。ともすれば一人よがりになりがちな私達個人営業の木工屋にとって、こうした機会は本当に貴重なものです。久しぶりにお会いして、その間に罹った病気のことなどうかがって、私も云々となるのは、年相応ということでしょう。

週末はたくさん親子連れで来場していただきました

週末はたくさん親子連れで来場していただきました

今回の私の展示で、比較的評判の良かったというか話題にしてもらったのは、スケルトンスリーズの机とスツールでした。以前からこれに類したものは作っていたのですが、セットで並べることにより、注目してもらったのかもしれません。名古屋のお客さんよりも良い印象を持っていただいたようです。このあたり、関西の進取の気風というか、新しいものすき、おもろいもん好きというか、そうした雰囲気を確かに感じます。関西は、私が学生時代から長く暮らし、木工を学び修行した地です。これからも様々なつながりを大切にしていきたいと思います。

ワークショップ。お父さんは大工さんでした

ワークショップ。お父さんは大工さんでした

 

 

第12回木のある暮らし展開催中

第12回木のある暮らし展、昨日7日と本日8日在廊しておりました。

ずっと以前からのお客さんや、お付き合い頂いている方たちに来ていただいてありがたいことです。段取りすべてをお任せして、こうした場を毎年提供して下さっているまどりのスタッフの皆さんにも感謝しております。

まどりのスタッフの皆さん

まどりのスタッフの皆さん

ワークショップは、準備も含めてけっこうたいへんなんですが、参加される皆さんの真剣さと出来上がった時の満足そうな様子を拝見すると、やはり続けなくてはと思います。なにより、実際に木に触って自分で加工してみるということが、木製品というものに対する理解を広げる意味で大切だし、鉋かけなども実際にやっていただくと、そうした作業を大切にした仕事の意味を分かっていただけるのではないかと思っています。

work_shop1

親子で参加

 

work_shop2

鉋かけ

 

work_shop3

完成した作品とご一緒に

 

明日が最終日になります。

平面バッフルスピーカーを鳴らしています

第12回木のある暮らし展が本日より始まりました。昨日、搬入に行ってまいりました。

展示会場の平面バッフルスピーカーシステム

展示会場の平面バッフルスピーカーシステム。バッフルは、クリの無垢板ですが、よく焼けていい感じです。間のラックもクリですが随分焼け方が違います。

今回は、何年かぶりに平面バッフルスピーカーシステムを展示しました。もちろん、実際に聞いていただくことも出来ます。着けてあるスピーカーユニットは、パイオニア PAX-12A、なんと1952年発売のパイオニアの初代同軸ユニットです。中古市場はもちろん、ネットオークションでもほとんど見かけない60年以上も前のこのスピーカーの音が私は大好きで、これで古いスピーカーあさり(ジャンク!フルレンジ・スピーカーユニットの楽しみ)をやめてしまいました。もう7〜8年は、ずっとこのスピーカーで音楽を聞いています。

ナラ・テーブルとアームチェア

ナラ・テーブルとアームチェア

前に、私の作ったゆったり座ることの出来る椅子とテーブルも用意してあります。ナラの一枚板に拭漆をかけてあります。お好きなディスクを持ち込んで楽しんで下さい。在廊のスタッフには伝えておきますが、ろくたるのブログに書いてあったとおっしゃってもらえば結構です。アンプも、これもアクセスの多い300Bシングル・モノラルパワーアンプを聞いていただこうと梱包までしていたのですが、昨日の搬入のあわただしさの中で、持ち込むのを忘れていました。最終日・9日(日)の朝には持って行こうと考えています。

ひさしぶりにアームチェアを組みました

明後日、4日(火)から第12回木のある暮らし展が始まります。明日は出展者の搬入日です。

アームチェアの組み立て

アームチェアの組み立て

今回、私の仕事の中では数少ない定番であるアームチェアをウォールナット、クリでそれぞれ組み立てました。パーツの木取りはまとめてしてありますし、外注の牛革を貼った座も余分があります。それでも、南京鉋や様々な小鉋を使って削り、組んでからも切り出しや刳り小刀などで持ち出しと言われる接合部分を削りださなくてはなりません。それが終わると、私の嫌いなサンディングをひたすら行います。

切り出し小刀でアームと後脚の接合部を削りだす

切り出し小刀でアームと後脚の接合部を削りだす

どうでしょう、この椅子は10余年の間に、100脚は作ったでしょうか?店舗用にまとめて作った分もありますので50は確実に超えています。しかし、やたらと手がかかるため、この2、3年は展示会用にも作ってきませんでした。でも、あたらしい椅子の構想のためにも色々考えながら作っていきたいと思っています。

明後日からの展示にお時間の許す方は、ぜひいらして下さい。

木のある暮らし展の在廊予定とワークショップ

8日のワークショップで作る鍋敷き

8日のワークショップで作る鍋敷き

第12回 木のある暮らし展 の在廊日は、今の所7日午後と8日(土)・9日(日)の予定です。8日は11時から私の担当するワークショップも行われます。昨秋の木の仕事展IN東海でも好評だった家具用高級材を使った鍋敷き作りをやります。一緒にstackの佐川瑞人さんの箸作りもあります。佐川さんは、私と一緒にこの展示会に12年連続で参加しているベテランですが、元ジャニ系という感じのイケメンです。その面でもお得感があります。私?私は残念ながら、ただのでかいオッサンです。

portrait

この絵は、別の展示会のプロフィール用に自分で描いたものです。少しは謙遜して3割引くらいのつもりで描いたのですが、その時の他の同業者連中に言わせると、そのものだそうです。初めての方、久しぶりの方、これで見つけて声をかけてくれると嬉しいです。

テレビボードの納品

昨日、無事京都のお宅へ納品出来ました。上手く生活感も演出してもらって撮影させてもらいました。部屋に合わせた家具なので、テレビボードもセンターテーブルも単独で工房で見るよりもいい感じです。

納品の終わったテレビボードとセンターテーブル

納品の終わったテレビボードとセンターテーブル

京都は、霙混じりの空模様でしたし、今日が法事ということもあって寄り道なしで帰るつもりでしたが、お施主さんお勧めの下鴨高木町の美玉屋の「黒みつだんご」買って、河井寛次郎記念館に寄りました。記念館では、寛次郎作の犬張り子のお菓子入れが見たかった。本当にそれだけ見たさで得心して、いつもの一筆箋を買って帰りました。念願の上七軒の日栄堂のみたらし団子も、三度目の正直で食べることが出来たし、気分的にも満腹でした。

河井寛次郎作の犬張り子のお菓子入れ

河井寛次郎作の犬張り子のお菓子入れ

マンガ描きも、木工屋の技能のひとつだと思う

先週の大雪で延期してもらった納品に明日伺います。チェリーのテレビボードです。

チェリーのテレビボード

チェリーのテレビボード

抽斗には、DVDとCDを収納。全開き。

抽斗には、DVDとCDを収納。全開き。

 

そろそろ四角四面の作りから抜け出したいと思いつつ、いざとなるとこうなります。まあ、これは昨年のうちにお施主さんと打ち合わせて、大きさ・仕様とだいたいの形を決めていたので、そのイメージ通りなんですけどね。色々事前にお話を聞いて、最初に描いたラフスケッチ(業界ではマンガと呼んでいます)を参考までに見てもらいます。もちろん、正式に発注をしてもらった段階でちゃんとしたCAD図面も描くのですが、一般のお客さんの場合、CADの三面図よりもこうしたマンガの方が分かりやすいようです。色々な要望や、仕様変更も最初のマンガを元にして最後までそれで通す事が多いように思います。

drawing2

ちなみに下のものは、水組のウォールナットセンターテーブルの最初のスケッチです。これも、だいたいそのまま形になりました。

drawing1

ウォールナット・チェリーのセンターテーブル

ウォールナット・チェリーのセンターテーブル

こうしたスケッチは、小学校の図画の授業を受けていれば、多少の巧拙はあっても誰でも描くことができるものだと思っていました。でも、お客さんに絵を描いてもらうとかえってイメージが混乱することがあります。頭の中にあるイメージと書かれる絵に全く関連がない、縦横高さの比率も滅茶苦茶、要するに絵になっていないわけです。ですから、お客さんが家具にしろ木工品にしろ、なにかご自分のイメージとかプランをすでにお持ちの場合、それを言葉で聞いてこちらでそれを絵にするのが一番確実で手っ取り早い。描いているうちにお客さんが覗いて、あ!そうそう、そういう感じ!とか言って喜んでもらうと、それだけで仕事が半分終わったような気になります。

こうしたスケッチ描きも、多少は適性もあるでしょうが、仕事の中で培われる別注家具屋の能力のひとつだと思っています。